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ブラック企業で学んだ3つの事

はじめに

現在ホワイト大企業で勤務する私が、ブラック企業で学んだことを紹介します。

 

 

私が働いていたブラック企業

厚生労働省によれば以下がブラック企業の特徴だそうです。

① 労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す

② 賃金不払残業やパワハラが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い

③ このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う

 

 私の会社の実態は以下のとおり。完全にブラックでした。

①→定時勤務時間は9:00-22:00の13時間、休日は日・祝日のみ、容赦ないノルマ設定

②→残業の概念がない、社長による罵詈雑言、法に触れなければOK

③→新入社員が10人入社したら、1人は1日目、3人は1週間で退職、半年で全員退職

 

あと、こんな特徴もありました。

・2週に1度の社長への成果報告、未達だと徹底的に詰められる

・とにかく大声で発声(出社時、帰社時、来客時、発表時)

・活動報告書は毎日社長に提出

・毎日の時間外勉強会(週に1度は自分が発表、内容が拙いと罵詈雑言)

 

私がブラック企業で学んだ事

入社2週間目で学んだ事

1.行動すれば打開できる

入社1ヵ月目からノルマがあり、即1日目から求人開拓活動を命じられます。初めての医療業界で、知識もなく、何をどう喋れば相手の信頼を得て、求人を登録してもらえるのか、全くイメージが沸きません。組織上上司はいるのですが、そもそも事務所にいませんし、マニュアルもありません。与えられているのは、机とPCと電話のみ。何をどうすればよいかわからず、誰かが助けてくれる事を望みながら、うじうじと悩むだけで、日が過ぎていきました。

しかし、2週間に1度社長に直接成果報告をせねばならず、もし1件も成果がないという事になれば、入社2週間目でも容赦なく詰められる事は明白です。(他の社員が詰められる様子を事務所で常に見せられています)

この恐怖が、私を行動に駆り立てました。覚悟を決め、午前3時間ぶっ通しでテレアポ、午後はアポがとれたら訪問、訪問先の近くの病院も飛び込みで訪問という事を自分に課しました。開始する前は、上手く受け答えできなくて相手を怒らせたり、恥をかくのではと不安だったのですが、新人で知識不足である事を正直に伝える事で、そのような事は殆どなく、多くの場合不安は杞憂に終わりました。そして、結果的に、先輩社員よりも多くの求人が取ってこれるようになりました。

怒られたくない恐怖という子供じみた動機でしたが、入社してわずか数日で未知の領域に飛び込むというこの経験を経て、行動を起こす前に持っている不安の多くが杞憂に終わるものだという事がわかりましたし、自分の窮状を救うのは自分の新たな1歩しかないという事を学びました。

入社1ヵ月目で学んだ事

2.   それでも感謝は燃料になる

ノルマを達成しない人間に対する、社長の詰め方は激烈でした。

例えばですが、ある先輩社員はノルマに届かなかった為に、社員全員の前で散々罵詈雑言を浴びせられた後「おまえは、給料いらんていう事やな!わかった、明日からお前はパートや、結果出るまでパートとして働け!」と言われ、本当に次の日から時給勤務の事務職に配置換えされ、床掃除をしていました。

こんな事が日常茶飯事でしたので、職場は恐怖で支配され、緊張が常に張りつめていました。私自身、長時間拘束や失態への𠮟責の恐怖で、常に疲れていましたし、仕事へのモチベーションは上がらず、入社1ヵ月にして、いつ辞めようかと考える日々でした。

入社して1ヵ月を過ぎた頃、今度は求職者との面談と紹介成立を命じられ、初めて求職者の方と面談を行いました。面談では、資格、経歴、希望等を確認するのが目的ですが、ホテルの喫茶室等で面談する為、結構長話になる事が多いのです。私が最初に面談した看護師さんとの面談でも、話が長くなり自分の会社のきつさ等を愚痴って聞いてもらうような感じになりました。そうなると、すぐにでも辞めたいと思っている仕事なのに、こちらも感情移入して、この人の役に立てたらいいなぁと思うようになります。で、この人に絞って求人を探す日々が始まったのですが、結果的に上手く案件成立する事ができ、最終顔合わせの際に、病院の担当者とこの看護師さんの双方から「ありがとう。助かりました。」と笑顔で言ってもらう事ができました。自分が想定していた以上に、この感謝は当時の私にとっては、喜びにつながり、砂漠のオアシスのような感じがしました。糞みたいな職場でしたが、この経験は、自分の仕事により困っている人が笑顔になるという事が、自分の喜びになるという事を学ばせてくれました。この事は、今も私が仕事を選んだり、業務の企画をする際の大きな指針となっています。

入社2ヵ月目で学んだ事

3.結局頼れるのは自分

一応チーム制になっているのですが、ノルマ未達の場合、社長はチームなどおかまない無しに、徹底的に個人攻撃をしてきます。かばえば自分が被弾するので、上司が部下をかばう事はありません。よって、入社して暫く経つと、上司など自分にとって何の役にも立たない存在で、自分の行動で数字との勝負に勝ち続ける事が唯一の生き抜く術という事がわかってきます。

結果への責任は全て自分が負わされる。この環境において生き抜くには、全ての行動の指示は自分で自分にしなければならない、誰かの指示を待ったり、自分以外の誰かへの責任転嫁をしても全く救われない事を学びました。この事は、今でも自分の仕事の仕方に影響を与えています。

 

(但し、大企業に入ると組織の大きさからチームワーク、助け合い、協働などという事が強調されます。一概には言えませんが、これは、日本の大企業にありがちな目的や責任の所在のあいまいさを生み、結果的に仕事のパフォーマンスを下落させていると感じます。)

 

私がブラック企業で失った事

退職した月の給与は振り込まれませんでした。

 

まとめ

世間では、ブラックは叩かれていますが、

・業務内容が正しい(詐欺まがいではない)

・体力、精神力の限界が訪れる前に脱出できる

という前提であれば、若い人にとっては、非常に面白い経験になるのではないかと思います。(合わない人は一週間で心が病みますが。)