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転職斡旋事業は儲かるか?人材転職斡旋事業を立ち上げた体験から書いてみたいと思います。前編。

求人市場が活発になるにつれ、転職コンサルなるものが乱立してきているとネットで読みましたので、このタイトルで書いてみようかなと思いました。(コロナで撃沈するかもしれませんが)

 

まず、私が転職斡旋業の立ち上げに携わる事になった経緯を書きます。

 

高い学費を親に出してもらいアメリカでMBAを取得したにもかかわらず、自分のキャリアに対して関心がなかった私は紆余曲折を経た後、某ブラックな人材情報会社で働いていました。

 

絶望の日々を過ごしていたある日、その会社で働いていた事務員の女性から「知り合いの社長が人材紹介事業を立ち上げたいので手伝ってくれる人を探している、興味はありますか?」と声を掛けられました。

 

弱肉強食で荒んだ職場でしたので、最初は新手の詐欺かなと疑ったのですが、私の目から見る限りその女性は極めてまともな方でしたので、話を聞いてみる事にしました。

 

すると、その人材紹介事業を始めたいと言っている会社は、SBI(Soft Bank Investment)に買収された会社で社員100名程のNasDaq上場企業で、しかもその社長はSBIからやってきたやり手の若手社長(当時30代前半)という事が分かり、怪しい話でないどころか明るい未来を予感させる話である事がわかりました。

(その女性が何故私に声を掛けてくれたのかここでは書きません)

 

その後2-3度その社長と食事に行った事を覚えています。その昔、野村證券で営業成績Topだったというその社長は、見た目は迫力があるのですが、人当たりが良く、非常にロジカルな方で、信頼もおけそうでした。

その会社で行っていた医療系人材情報サービスに加え、医療系人材紹介も事業として発展させたい、その事業をゼロから立ち上げて欲しいと言われました。そんな期待に応える事ができるのか不安でしたが、待遇もよくなる事がわかりましたし、一秒でも早くブラック会社を脱出したかった私は、早速その会社に転職する事を決めてしまい、旧ブラック会社に辞表を叩きつけてやりました。(ちなみに、最終月の給与は払われませんでした。流石ブラックです。)

 

以上が、前置きです。

 

そして、入社してすぐ最初に社長から依頼されたのは、人材紹介業の許可申請に加え、人材紹介事業の今期の予算/損益計算書の作成でした。人材紹介業の許可申請等は、手順に従えば誰でも取れます。

でも、人材紹介業の予算/損益計算書の作成というは、それまで月何件紹介成立させるかにのみ神経を集中してきた私にとって、もちろん初めての経験で「えっ!俺に作れるのかな」と心配になった事を覚えています。

 

しかし、冷静になって考えてみれば人材紹介の損益はシンプル、当時以下のような事を考えていました。

 

売上 紹介手数料収入 (転職者年収×15%×紹介件数)

費用 事務所賃貸料(大阪梅田)(電気等含む)→ 40-50万/月

   コンサル員給与(私)→40万円/月

   集客用HP作成・SEO/維持費用等(業者依頼) →3年償却  1-2万/月

   問い合わせ応対事務員費用(1人)→10万円/月

   交通費・雑費(1人)→5万円/月

 

事務所賃料はコストがかかるのですが、転職希望者から信用してもらい、また面談をする場所を確保するために、それなりに交通の便の良いところに、事務所を確保するのが必要と判断しました。

紹介人材については、前述したとおり、この会社は、看護師向け就職情報サービス雑誌を発行していましたし、私の経験も看護師さんの転職コンサルが多かったので、紹介対象は当面は看護師さん一本で行くと決めました。(前社では医師やその他医療従事者の転職サポートもたまに行っていましたが。。)

紹介手数料についてですが、当時年収は正看護師さんで500万-600万(パートはもっと低い)、婦長さんだと800万以上ぐらいでしたので、1人あたり紹介手数料は平均60-70万程度でした。つまり私が月に2人分の手数料を得る事ができれば、130万円の売上があり、上記の費用をまかなってほんの少し利益が出る計算になります。

そしてまた、私の2人分の手数料収入に加えて、2人/月成約してくれるコンサルタントが1人増えるたびに、約130万-月給=約80万が利益として積み重なっていく計算になります。こんなコンサルタントがどんどん増えれば、どんどん儲かっていく計算です。

 

読者の方は、2人以上成約できればの話でしょ?そんな前提なんの保証もないじゃない。と思われるかもしれません。

しかし、ほぼ全ての病院は、慢性的に看護師さん不足に悩んでおり、求人しています。看護師さんを一定数確保していなければ、診療報酬に影響します。仮に求人枠を全て満たしている病院でも、もし誰かが退職すればすぐに求人募集をして、その枠を埋めなければなりません。その上、看護師さんの離職率は高い。結婚・出産等女性特有の事情もありますし、辞めてもまた復職できると皆さんわかっているんですね。

滞在期間は短かったのですが、前ブラック企業での経験でこれを肌感覚で理解できていた私には、月2件はいけるだろうという数字でした。

 

転職斡旋業は、設備もいらない、在庫リスクや先行投資もほぼない。求人と求職者を多く集めるために、俺も含めて、馬車馬のように働く人員がいれば、儲かるんだな。。。という事がわかり、前社のブラック会社の社長が、社員全員を恐怖統制のもと働かせまくっていた事が、その時少し理解できました。

 

では、どのように馬車馬のように働くか、この事業の成否は、

以下2点にかかってくると考えました。

・いかに質の良い求人を多く確保してくるか

・いかに企業/病院が欲しがる質の良い転職希望者を多く確保してくるか

 

 

 

以下②続編に続く